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  3. 第12回「なぜなら私達1人ひとりには、今いる場所において、特別な使命を持っているということ。これは私たちが想像できる何よりも素晴らしい事なのです」

第12回
グラディス・マクギャレイ医学博士
Gladys Taylor McGarey, MD, MD(H)
1920年インド生まれ。
エドガー・ケイシー療法のパイオニア的存在で、『全米ホリスティック医学協会(American Holistic Medical Association)』及び『超心理学と医学のアカデミー(The Academy of Parapsychology and Medicine)』の創立メンバーの一人。ホリスティック医学の母としても世界的に知られている。また、アメリカで医師として初めて鍼灸を学び、他の医師に鍼灸を教えるなど東洋医学に対しても深い知識と経験を持っている。

グラディス博士は『ホリスティック医学』『自然分娩』『患者と医師とのパートナーシップ』など様々な場面において常に開拓者であり、医学界に新しい価値観を持ち込み、その普及に力を注いできた。

長年、前夫のウイリアム・マクギャレイ医学博士と共に、アリゾナのクリニックにおいて、西洋医学とホリスティック医学を統合させた医療を実践。現在も家庭医として、またホリスティック医学のスピーカーとして世界各地で活躍している。

The Foundation for Living Medicine
いま、アメリカ、バージニアビーチのA.R.E.で開催されているケイシー療法セミナーに来ています。講師の一人でもあるグラディス・マクギャレイ医学博士に今日はインタビューをさせていただきます。グラディス博士と初めてお会いしたのは1994年頃。2000年には東京にお招きし、来日セミナーを開催しました。

ではインタビューを始めさせていただきます。まず最初に、グラディス先生を知らない方たちのために、ケイシーを知った経緯からお話いただけますか?
ケイシーとの最初の出会いは、1955年にアリゾナ州フェニックスに引っ越した頃のことです。夫だったウイリアム・マクギャレイがケイシーの伝記『There is a river』と言う書籍を持っていました。この本を二人で読み進めていくうちに、その内容にどんどん引き込まれていきました。だから最初の出会いはこの『There is a river』の本ということになります。この本は、ナオコのお兄さんが日本語に翻訳した本ですよね。(※『永遠のエドガー・ケイシー』たま出版刊)
以前グラディス先生は、ウイリアム先生がケイシーの本を読むうちに輪廻転生を信じ始め、最初はとてもまごついたとお話されていましたよね。インドで生まれ、幼少期をインドで過ごしたグラディス先生にとって、輪廻転生の概念は馴染みがあるものだったと思うんですが、ケイシーを知る前、グラディス先生は輪廻転生を信じていらっしゃらなかったのでしょうか?
インドのヒンズー教の文化の中で育ちましたが、夫から輪廻転生のことを耳にした当初はちょっと躊躇しました。しかし、あらゆる疑問に対して納得のいく答えを見出す事ができ、これは理にかなっていると思うようになりました。特に、ケイシーが述べた病気の人々へのリーディングの内容や指示は私にはとても重要で、それを知ることによって、ケイシーに抱いていた壁を乗り越え、彼の言葉や書籍に興味をもつようになりました。
クリスチャンとしては、やはり輪廻転生を受け入れることは難しかったですか?
最初は、これはヒンズー教なのではないかと思いました。しかし調べてゆくにつれ、キリスト教に通ずるものも多くあると思いました。ですから『キリスト教に反するもの』という感じを抱くことなく、受け入れる事ができたんです。
ケイシーに関わることで、教会のメンバーの人や同じ医師達から、変人扱いをされたのではないですか?
私の家族は、これはクリスチャンの概念とは違うと感じていたようですが、私はそうは思いませんでした。ケイシーも最初は多くの疑問を持っていましたよね。彼は教会の日曜学校で教え、一生を通じて聖書を繰り返しすみずみまで読んでいましたが、リーディングの内容は全体思想の一部になり得るのではないかと強く感じたわけです。私たちも、ケイシーは何もキリストの教えと違ったことを言っているわけではないし、反クリスチャンでもないことが解り、受け入れることができました。
ケイシーを知る前は、いわゆる西洋医学のお医者様だったのですか?
そうです。しかし私の両親はいずれもオステオパシーを施術していましたし、父は医学博士でした。インドで育つなかで私は、人は何を食べ、何を考えるか、何を思うかによって違ってくるという事を理解していたこともあり、ケイシー療法が従来の医療とは異なったとしても、医療は本来こうあるべきだとは思っていました。
ケイシーを知った後、ご自身の医療の姿勢は何か変わりましたか?
ケイシーのリーディングは、従来の医療の様に病気に働きかけるのではなく、個々の人間に働きかけるというものです。私たちが対すべきは、人が罹っている『病気』ではなく、病気を持っている『人』です。従来の医療では、喘息にはこの処方、糖尿の場合はこの処方、乳がんにはこの処方で治療、ということになります。しかし、ケイシーは違います。リーディングは「この人は、喘息を持っている人であり、これらのセラピーはこの人を助けるであろう」というふうに、病気ではなく、個々の人間に働きかけています。

もし病気を治療するならば、患者は疎外されることになります。ケイシーのリーディングは病気ではなく個々の人間に対して述べられているということ、患者がどのように自分の疾患と関わっているのか、患者はその治療方法とどのように関わっているのか、といったことを理解していくと、ひまし油を始めとして、リーディングが何を伝えようとしていたのかが分かってきます。

患者を診るとき、私たちは個々の人間を、身体、心、魂という全体的な存在としてみなければなりません。足を骨折した人には、骨折をしたことで単に歩き方にどのような影響を与えるかという身体や物理的な面だけではなく、人生にどのように影響するか、その人の人格や物の見方がどうなるかなどを見ていきます。身体の不調は、心、感情、精神、そして魂においても影響するということです。

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