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  3. 第14回「人間は生まれたときは100%自然なのに、意識が身体を不自然にしてしまっているんです。それをほぐしていかなければいけません。」

第14回
青木 宏之 氏
1936年 横浜に生まれる。
中央大学法学部卒。日本空手道の江上茂に師事。柔道、空手道、合気柔術をベースに現代人のための心身開発体技『新体道』を創始。更に「日本の棒術」体系を創案、世界各国に広まる。1990年 宗教哲学の研究でカリフォルニア神学大学院より「文学博士号」を授与さる。 1994年フィリピンの貧困家庭の子供たちへ奨学金の支援開始。1998年米国国際学士院より「世界平和功労大騎士勲章」を授与さる。2001年 天真書法塾を開塾。2005年 NPO天真会を設立。
2008年 剣武天真流を創始。2010年 剣武天真流発会、剣武を通して、健康な体と健全な魂、世界の浄化、平和への祈り等、道を追求する指導にあたる。一般財団法人天真会設立。2011年5月以降「東日本大震災被災地及び被災者」支援ボランティアグループ「チーム天真」を結成。被災地の仮設住宅にて健康体操、指圧、整体等の定期活動を行う。
また、中国、フィリピン、チェコ、イタリア、フランスを訪れ「書」や「剣武」を通じ、独自の国際交流を続けている。

現在、一般財団法人天真会代表理事、(株)天真会取締役、天真書法塾塾長、剣武天真流宗家、NPO 新体道名誉会長、日本人体科学会理事、日本養生学会顧問、他

書歴
上海大学認定中 国書法学院師範、中国書法展審査員、中国山東省濟南私立成家書法業校名誉教授、その他、数々の国際書道展に招待作家として活躍
私は子どもの頃から運動音痴で、時間があれば本ばかり読んでいる子どもでして、スポーツとは無縁な生活をしてきた1人です。ですから今回は、運動音痴が武道の大家に挑むという無謀なインタビューになるかもしれません。どうぞよろしくお願いします。
なんでもお聞き下さい。私が持っているものは、沢山の方々から教えていただいたという意味で人類みんなの財産だととらえています。武道だけではなく、様々な分野の先哲から学んできています。自然からも人からも学んで今の結果があるわけで、それらを自分なりに磨き上げてお返ししなければいけないわけです。分かることは何でもお答えしますので、遠慮なくお聞き下さい。
まず最初にお聞きしたいのは、youtubeで拝見した『Old Shintaido Video』の動画についてです。私には何が起こっているのか分からなかったんです。頭がポカンとしたまま数分間動画を見ては止め、また数分見ては止めてを繰り返しました。あのとき、青木先生とお弟子さんの間では、いったい何が起こっていたんですか?

あれは40年以上も前の稽古です。あそこでは、よく似た動きで1つは武術的なもの、もう1つは特別な体技の2種類の稽古を行っています。あなたの質問の箇所は簡単に言うとこういうことです。

あなたが拳で、あるいは短刀で目にも止まらぬ速さで私を突いてくるとするでしょう?私はそれを払いよける前に、つまりあなたが出ようとした瞬間に一発カウンターを入れ、次いでよけて一発入れて投げています。でも普通の人にはそれが早すぎて目に入らないとよく言われます。「見えない」と言われるんです。以前、ある演武会でかなり丁寧にやってみたんですが、立川談志さんが「青木先生、いま何やってたんですか?」って聞くんですよ。一流のビジネスマンにも芸能人にも同じ事を聞かれました。きちんと説明をしたんですが、全然分からなかったようです。
私には、お弟子さんが青木先生のもとに走っていって倒れた。お弟子さんが青木先生の手を握ったら突然恍惚となって震え始めた。お弟子さんが自分で倒れた、お弟子さんが恍惚となった…。そういうふうにしか見えないんですよね。お弟子さんたちの身体で何かが起こっている、もしくは意識に変化が起こっている・・・。何かが起こっているから、あのようになっていることは確かだと思うんですが・・・。
まず大きく分けて2種類の体技をやっています。1つは激しい攻撃に対する防御と反撃で、もう1つは攻防を超えた気の操作の稽古です。これは『瞑想組手』と呼んでいます。あのビデオの中でやっていることは、その2種類が混在していますので、ちょっとわかりにくいでしょうね。

簡単に言えば、昭和初期以前の人にコンピュータを見せるようなもので、何だか分からないでしょうね。この箱の中身はいったい何だって思いますよ。

以前、ベートーベンの作曲についての本を読んだのですが、専門的な音楽用語がたくさん書いてあるんですよ。彼は様々なことを勉強して、スランプに陥ったとき古典を一所懸命勉強しなおして新しい音楽を組み立てた・・・。でもそんなの読んでも私には全然分からなかった。違う世界だから。

ですから私がやっていた稽古がよく分からなくても何もおかしくないですよ。武道専門の方でもよく分からないと思います。

相手が走ってきて全力を挙げて私を突き倒そうとしたのに、攻撃した相手の方がなぜか吹っ飛んでしまった。そうとしか見えないようですね。でも私は相手が突いてくる前に一発相手に入れている。実際に当てたりはしていませんが、手を出して反撃するという意思表示を見せている。それでもなおかつ相手が突っかかって来るので受けつつ突きを入れ、続けて投げた。その4種のワザが一般の人には見えにくいんでしょう。

2番目の方は、『瞑想組手』と言いますが、人の身体は抑え込むと固くなってしまいますが、力みを引き抜いてグニャグニャにほぐしてやると、今度は相手の身体の中に自然な律動が蘇ってくるんです。

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