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第17回
柴田 久美子(しばた くみこ) 氏
島根県出雲市生まれ。日本マクドナルド(株)勤務を経た後、平成5年より福岡の特別養護老人ホームの寮母に就任。平成14年に人口600人の離島で、看取りの家『なごみの里』をスタート。自然死で抱きしめて看取る実践を重ねる。平成26年に拠点を岡山県岡山市に移し、地域の無償ボランティア“エンゼルチーム”と看取り士とともに、慣れ親しんだ自宅での旅立ちを支える体制を作る。一般社団法人日本看取り士会会長。吉備国際大学短期大学部非常勤講師。神戸看護専門学校非常勤講師。介護支援専門員。
著書に『看取り士日記』(コスモ21)、『いのちの革命』/舩井勝仁氏との共著(きれい・ねっと)など多数。

なごみの里
今回はおそらく日本、いや、世界で初めて“看取り士”という職業を始められ、現在は岡山を拠点に、看取り士さんの養成や講演などでもご活躍中の柴田久美子さんにお話を伺います。

先に少し説明をさせていただきますと、“看取り士”というのは、医療や介護サービス、そしてエンゼルチーム※1と連携しながら終末期にある方々に寄り添い、ご本人の希望する場所で旅立ちを支援するためのスペシャリストのこと。とくに臨終の際には旅立つ方の手を握り、体をさすって、最期は抱きしめて見送ります。

そうした生から死へと移行していくプロセスのなかで、あちらの世界に旅立とうとしている方々は安心して旅立つことができ、いっぽう見送る人は旅立つ方々からエネルギーを受け取り、魂を磨くことができるということ。柴田さんは、そんな、まさに旅立つ人も看取る人も幸せを感じられるような最期の時をプロデュースされています。

※1.エンゼルチーム……“なごみの里”が進めている仕組みのひとつ。在宅での介護や看取りが必要な旅立つ方々を支えるために、家族や親族、友人、地域の方々(エンゼルチーム協力員)などの無償ボランティアのこと。主に旅立つ方々の見守りと緊急連絡を行います。全国に121支部が展開している(2015年時点)。
ありがとうございます。菜央子さんには以前、うちの看取り学講座※2にも7日間の内観※3にもご参加いただいていて、私の言いたいことをよく理解してくださっているように思います。ということで今日は、私がとにかく今できるだけ多くの人にお伝えしたいことについて、いきなり核心部分から話し始めてしまってもいいですか?

※2.看取り学講座……柴田さんをはじめ、看取り士養成講座を修了した“看取り士”を講師に、死と生、看取りについての新たな価値観や心構えを学ぶ少人数限定講座。ほかに、看取り士になるために必要な根幹を身に着ける“看取り士養成講座”があり、ともに医療従事者や介護職員なども多く参加しています。
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※3.内観……外界からの刺激が遮断された道場の中に、屏風で狭く仕切った空間を作り、その中で約7日間、朝6時頃から夜9時頃まで母親、父親、兄弟など身近な人に対して、してもらったこと、して返したこと、迷惑をかけたことの3つのテーマにそって思い出していく。
えっ!? 何でしょう。
これはもうずいぶん長い間、講演や書籍などで言い続けていて、なかなか皆さんに伝わらないことなんですけれども……。人間というのは赤ちゃんの時にプラスのエネルギーをまとう存在=光として生まれてくるのですが、成長して年をとっていくに従いマイナスのエネルギーを重ね、やがて死を迎えます。その際に積み重ねたマイナスのエネルギーを全て浄化し、誕生の時と同じように再びプラスのエネルギーをまとう存在=光へと転じた後、その愛の光を愛する人々に受け渡して天に還っていくんです。

そうして亡くなる人の愛の光を受け継いだ人は、それによって自分の魂を膨らませ、進化向上していくことができるんですね。私たちはこの命のバトンリレーをするために生まれてきたと言っても過言ではありません。ですから、皆さんには死にいく人の看取りをネガティブなイメージではなく、魂の進化向上の機会だととらえていただきたい。そして、是非ご家族や近しい方などを看取る際にはしっかりと抱きしめたり触れたりして、“魂のエネルギー=光”を旅立つ方から受け取っていただきたいのです。と、もう結論を言ってしまいました(笑)。

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