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  3. 第10回「風水というのは本当に、 物質的な言語、スピリチュアルに統合された物理的な世界の言語だと思うのです。」

第10回
ここまでマークの生い立ちのお話を伺いましたが、他に何か付け加えたいことはありますか?
ひとつには、22才の時に日本に来たことが、私に大きな影響を与えたということがあります。それまで私はずっと家族の元で暮らしていました。私にとって地球の裏側にある、看板の字が全く読めない国に引っ越すことは、全く驚くべき経験でした。私は日本の古いものと新しいものの融合に強く興味を持ちました。例えば1992年当時、世界中の人が抱く日本のイメージは、最高のビデオ・レコーダーやウォークマン、ディスクマンなどを作る国でしたが、郵便局に行くとそろばんを使っている。銀行のATMは夜7時に閉まってしまう。それで私は、「ここは自分がイメージしていたハイテクな世界では無いんだな」と思いました。けれど渋谷に行けば、巨大なスクリーンにシンプソンズの広告が映っていたり・・・。日本に住んで、古いものと新しいものが微妙な関係を築いているのを目にするのは、興味深い経験でした。

日本は、古い世代と、自由を求めて昔ながらの厳しさから逃れようとする若い世代の間に、困難があると思います。残念ながらそのために、伝統的な日本の文化に存在する素晴らしい美的感覚が失われつつあると感じています。

日本を観察することで受けた影響の大きさに、日本を離れるまで気づきませんでした。家の中を見ると、様々な日本人特有の問題がありますが、それでも常にきちんと、正しく行われるやり方というのがありました。例えば、家の前の空間には、どこに木を植えて、枝がどう絡まっていると良い感じになるのか、ということを大抵誰もが知っているといった具合です。そこにはある種の神聖さが感じられました。

明治神宮からも本当に強い影響を受けています。そこは東京の人工的な環境から逃げる場所でもありましたので、日曜日には、ただ明治神宮に行って、自然な音や自然な空間、強いスピリチュアルなエネルギーの中で数時間を過ごしました。当時はよくわかっていませんでしたが、確かに何かを感じていました。
現時点では、テンプルのお客さんを中心に、ということになりますが、なぜ今、マークが伝える風水がこんなに日本で必要とされ、受け入れられていると思われますか?
世界的な理由と、日本人特有の理由があると思います。

まず2001年9月11日の事件の後、人々は、未来に何が起こるかわからない、外の世界で何が起こるのか予測することはできないと気づきました。人生が予測不可能になったことで、かえって自分が帰ることのできる場所、自分が心地よいと感じる空間やくつろいだりできる「家」を持つことがとても重要になりました。興味深いことに、9・11テロの後、実際に北米の不動産の値段が上がったんです。なぜなら家にいることの大切さ、心地良い自分のスペースを持つことが、本当に大切になったからです。

日本においては、地震やある種の不安定な状態があって、皆、自ら選択しているという感覚、調和やバランス感覚を持つ方法、安心できる場所を求めているからだと思います。

日本では、働く場所に合わせて、態度を変えなければいけなかったり、仕事や、会社や、周囲の人々に応じて適切に振る舞わなければならないといった社会的な制約や役割が多いため、居心地の良い家を持つことによって、人々は「自分のスペースでは何をしても良いのだ」と感じることができます。

このことはとても重要だと思います、これは世界共通です。地球上のすべての人がこの感覚を必要とし、求めていると思います。ですが日本人は、先ほど言ったことと関係がありますが、過去と現在の衝突があると思います。日本では伝統が非常に強く深いため、人々は「これが正しいやり方で、このように行わなければならない」と、決まりきった儒教的なアプローチをとります。これは実は自然に任せるという道教的な法則、すなわち風水の法則に反しています。

風水の考え方というのはとても自然であるが故に、深い部分に語りかけるので、どんな文化を持つ人でも「これは私が求めるものだ」と見分けられると思います。

すべての人が安定を求めている、すべての人がバランスを求めている、すべての人がある程度の平和を求めている。それから自主性や個性も求めている。コントロールと言ってしまうと違う意味になってしまうのですが、他にうまく言い表せる言葉がありません。私たちはもちろんすべてをコントロールすることができますが、何が起こるのか知らないし、何かが変わるかもしれない…。でも、人は最低限、家の中のことは自分で選ぶことができるんです。日々の生活の中では選べないことが多いので、「選ぶ」必要があるのだと思います。
マークが教えてくれる風水は、従来の風水と違って、家の間取りや方位、周りの環境にあまりとらわれず、自分が置いた家具や色、配置が自分の人生に繋がっている、というところが面白いと思います。
まず、私の(中国人の)先生との経験をお話しします。

私はエネルギーに注意を払っていると思っていましたが、それは物理的なエネルギーではありませんでした。方位で見る風水では、自分が「どの方位を向いているか」にも注意を払っていました。物理的に、どの方位を向いているのかも重要だったんです。

先生に師事している時やその後気づいたのは、この矛盾に気がついたのは私だけではなかったということです。実際に1960年代の風水コンサルタントで「私たちは方位磁石を使った風水を行うのを止めなければならない。なぜなら、意味をなさないからだ」と言った人がいました。

多分、5千年くらい前から最近までは、方位磁石を使うことに意味があったでしょう。しかし現在、私たちは電気を使っています。方位磁石による風水が始まった頃の中国には無かったものです。ラジオやテレビの電波、宇宙には衛星があって、携帯電話の信号や、目に見えない電磁波の情報が溢れています。

このように、非常に多くのエネルギーレベルでの干渉が起きていると、風水で使うようなエネルギー力学を変えてしまいます。私は方位磁石で試したことがあるんですが、家の中を磁石を持って歩き回ると、磁石の針が様々な方向に振れるのがわかります。ステレオの近くやコンピューターの近くなど、他にも色々な機器の周り、それから作動している変圧器の近くなど、これらすべてが方位磁石の向きを変えてしまいます。

では、こんなにもコントロールできないことがあるなかで、私たちがコントロールできるものは何でしょうか? 

私たちはこういったエネルギーに影響されてはいるけれども、物理的に冷静になるとか、自然な人付き合いができる、あるいは神経が安らいだ状態でいられる、というのは、例えば、部屋のドアに背を向けるのではなく、ドアがちゃんと見える位置に座ることで得られます。これだけのことで、心の安らぎが得られ、それによって肉体も良い状態になるのです。

こうすることによって、物理的レベルでは感知できない線上に自分を合わせることになります。では、もしあなたが緊張がほぐれないとして「あぁ、今は北東の方角を向いたから、楽になった」と感じるでしょうか。楽になるかもしれません、でもならないかもしれません。ですが、ドアが見える位置に座り、部屋の全空間が見渡せたなら、確実にあなたは気分が良くなるとわかっています。なぜなら支えられている感じがし、論理的に自分の背後からは誰も来ない、そして何の影響も受けることが無いとわかっているからです。

背後から襲われる気配は無く、部屋全体が見渡せる状態です。私は何度も言っていますが、成功している会社の社長さんで、ドアに背を向けて座っている人はいません。

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