ええ、そうですね。それに当時、池見 酉次郎(いけみ ゆうじろう)先生
※1や桂 戴作(かつら たいさく)先生
※2という、私が憧れるドクターがいたことも、心身医学を目指す大きなモチベーションになりました。彼らは“病気を身体面のみならず心理・社会・環境面も含めて全人的にみていく”という「日本心身医学会」の礎を築きあげた心身医学のパイオニア的存在だったんです。
池見先生は、仏教の行法や気功も取り入れながら、セルフコントロールを提唱されました。また末期癌の宣告を受けながら、生きる意味や生きがいについて考え、生活スタイルを転換して癌を克服したケース、癌の自然退縮例についても数多く研究されていました。今ではエネルギー医学と言われるようになってきた代替療法やヒーリングの力を借りているケースもその中には多かったわけです。しかし、そういう研究をしていると、宗教かぶれという批判も随分受けていたようです。
※1 池見 酉次郎(いけみ ゆうじろう)……九州帝国大学医学部卒業。昭和35年(1960年)に日野原重明氏らと共に「日本心身医学会」を設立し、初代理事長となる。日本の心身医学、心療内科の基礎を築いた草分け的な日本の医学者。「セルフコントロールの医学」「自己分析」「心で起こる体の病」「心療内科」など著書も多数。
参考ページ:http://h-kishi.sakura.ne.jp/kokoro-107.htm
※2 桂 戴作(かつら たいさく)……元日本大学医学部教授。日本心療内科学会名誉理事長、「日本心身医学会」理事等を務める。多くの心療内科医や心理士を育成し、心身医学の発展に多大な功績を残された医学博士。