1. トップページ
  2. 21世紀に生きるエドガー・ケイシーの教え
  3. 私たちに必要なのは自分自身に対する共感なんですね。

第19回
非暴力的なコミュニケーション、もしくは共感的な聴かれ方というのは、例えばどういった会話なのか、例をあげて教えていただけますか?
自分の中にある、そして相手の中にもある『本当に大切にしているもの』に繋がっていく、という考え方なんですね。例をあげると、あるカップルがいて、彼女が彼にLineを送ったけど全然返事が来ない、24時間経っても返事が来ないというときに、普通の伝え方だとこうなると思うんですよ。「私がメッセージ送ったのになんで読んで返事をしてくれないのよ! 私のことなんて大事じゃないんでしょ!」  そうすると彼の方は「そんなこと言ったって仕事が忙しくて気がつかなかったんだよ!」とギスギスした関係になってしまいます。これは共感的ではない対応です。でも相手が「なんで私のメッセージを読んでくれないのよ!」と言うということは、その中に、彼女が本当は欲しかったものが隠れています。それを共感的に聴いて彼が応えると、こうなります。「そうかぁ、返事がなくて悲しかったんだね。もっと繋がりを感じたり、大切にされてる実感が欲しかったの?」 つまりそう言ってきた彼女が本当に欲しかったことに繋がろうとする。それがNVCの考え方です。NVCでは、そういった大切にしていることや価値観を『ニーズ』と言っているんですが、そのニーズをもとに繋がっていこうとするのが共感的な聴き方、伝え方です。そのベースには、自分にも相手に対しても思いやりをもって繋がろうとする、考え方があります。
NVCの考え方をさらに発展させたものがコネプラと理解してもいいですか? 
コネプラがNVCを発展させた、とは私は定義していません。NVCの基本は先ほどの例のように共感的に聴くということなんですが、それ以外にも色んなワークがたくさんあります。講師も学んだ人も自分で応用させていくので無数のワークが存在する、という状況になっています。私はNVCを今も教えていますが、コネプラはその無数にあるNVCの方法の中でも最も基本的な部分『共感的に繋がる』つまり『人の中に生き生きしている感情とニーズという命のエネルギーに繋がる』という部分にフォーカスし、主にその部分をNVCからいただいて使っています。そこにさらにハートマス研究所が提唱している『クイックコヒーランス法』を使ってハートと脳を同調させ、ヒラメキや洞察を得ていきます。つまり共感と洞察の組み合わせで繋がりを作っていくというスキルがコネクション・プラクティスです。シンプルで実践しやすく、そのため、伝えていきやすいという特徴をもっています。

このコネクション・プラクティスを始められたのは、リタマリー・ジョンソンというアメリカ人です。今はアメリカ在住ですが、15年ほどコスタリカに住んでいました。もともと平和活動をしていた女性で、NVCも学ばれています。ただNVCを実際の生活の中で使おうとすると難しさがあったんですね。そこで閃いたのが、すでに学んでいたクイックコヒーランス法で、共感とクイックコヒーランスを組み合わせればいいのではと思いつき、実際に使ってみると、スムーズに共感できるようになりました。それがコネクション・プラクティスのスタートです。当時のコスタリカ大統領にも認めていただき、コスタリカでは公立の小学校に導入され、すでに4万人の小学生が学んだという実績があります。今はアメリカに戻られていますので、アメリカでも早く子供たちに伝えられるようにしたいと動かれています。
私はイスラエルの幼稚園に2度ほど見学に行っているんですが、ある幼稚園では、子供たちが自分の感情を、友達や周りの人を傷つけることなくちゃんと伝えられるようになる、ということをテーマにされていました。日本人って、自分の感情をうまく伝えるのが下手ですし『周りの人と同じ』が基本なので、自分が何を感じたかを言わないよう我慢したり押し込めたりしがちですよね。自分や相手の感情を大切にすることを子供の時から学べるのは素晴らしいなぁと思いました。
そうですよねぇ。感情の奥にある互いのニーズを大事にして、優しく思いやりをもって相手に伝えることができる。コネプラではそれに加え、コヒーランスが入りますので、洞察を得ることにより、さらにうまく人間関係が回っていくようになると思います。日本でも、実はある市の教育委員会でコネプラを導入しようという動きがあり、学校の先生に教えられるようになりそうで、私もとても楽しみにしています。
それは楽しみですね。学校の先生が共感的に子供たちの話が聞けるようになれば、子供たちの心の安定と成長にずいぶん寄与しますよね。いいなぁ。私も子供の頃に学びたかったです。NVCも素晴らしいメソッドですが、コネプラの方が子供たちに受け入れやすい感じですか?
NVCとコネプラの何が違うかというと、NVCの方法は無数にあり、どのように教えるなど、決まったルールがあったり、体系立てられているわけではないので、学ぶのに時間がかかります。NVCのスケールが大きいこともあって私も人に伝えられるようになるのに2、3年かかりました。でもコネプラはシンプルで、コースもテキストも決まっているので、ある程度学べばすぐに使えるようになり、また同時に人に伝えられるようにもなります。そのシンプルさと速さが違うところです。

コネプラで使うクイックコヒーランスで得る洞察は、今までの自分の頭では思いつかないようなヒントがもらえることがあるんです。展開も早いです。感情とニーズで繋がるだけでも気持が落ちつき、優しい感じになり、大事にされてよかったなぁと思えます。でも大事にされて良かった、だけでは終わらず「でも私はホントは手に入れたいものがある、解決したいことがある」というときは解決策や行動プランが欲しいですよね、それが手に入れられるようになります。

ページトップへ戻る