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  2. 21世紀に生きるエドガー・ケイシーの教え
  3. 第12回「なぜなら私達1人ひとりには、今いる場所において、特別な使命を持っているということ。これは私たちが想像できる何よりも素晴らしい事なのです」

第12回
ケイシーを知った後、そのような考えを共感できるドクターと、どのように出会いを作っていったんですか?
ほとんどの医者が理解できなかったけれど、ケイシーリーディングに興味を持ったり、代替医療や栄養学、催眠療法に興味を示してくれた医者が数人いました。お互い、歩んできた道のりが異なるわけですから、お互いが分かりあえる、語り合えるところから始めるという感じで働きかけていって友達を作っていきました。同意しあえることを見つけ、それについて語りあう、ということです。

そうやって友情を築き上げていきましたが、何年も何年も、何年もの間、私はとても変わった人間だったわけです。廻りの人達は私のことを変人と言っていましたし、呪術医とさえ呼ばれていました。

面白い話があります。
他の医師に診察を受けに行った患者がいて、彼女が数年前、私にこんなことを話してくれました。彼女が言うには、その医師の診察を受けている時、彼女が何かの話題で私の名前を口にしたところ、その医師が、椅子に大きくふんぞり返って『あぁ、彼女のことは知っている! 僕が研修医の頃、人事部に行くと、あのクレージーマクギャレイは今度は何をしでかしたんだ? あれだ、これだ、鍼治療だの乳母車だのって、あれは正気じゃないって、僕たちはよく笑いながら話したもんだ』と。でもその後、真面目な顔で『彼女がいま何をしているのか知りたいなぁ・・。』と言ったというのよ。長い年月がかかったわよねぇ・・・。(微笑みながら) 30年よ。

人が語り始めると物事は変わっていくのです。ホリスティックという言葉は今では悪い言葉ではありませんが、以前はそれはそれはとてもよくない言葉だったのよ。素晴らしいでしょ?
その変わった医者だったグラディス先生が、周囲に受け入れられ始めたと実感できたのはいつ頃からですか?
そのうちに、少しずつ、あちらこちらで私に話しをしに来てくれないかと言われるようになってきました。しかし、何よりも患者さんが医者にそういった話しをし始めたわけです。そうすると医者は、これは何かが変わってきていると感じざるを得なくなってきたんじゃないかしら。ですから、これは教育のプロセスであり、少しずつ、1人ずつの力によるものなのです。
『ホリスティック』という言葉はマクギャレイ先生と、昨日AREのセミナーで講演をされていたノーマン・シーリー先生たちが使い始められたとお聞きしたのですが・・・?
全米ホリスティック医学協会を立ち上げたのは私たちです。最初は友人同士5人、ノーマン、ウイリアム、そして私とエヴァーツ・ルーミス医師とゲリー・ルーニーの5人で。ある日カリフォルニアで会って、組織を作る必要がある、そしてここにすでに5人いるのだから、とにかく始めようじゃないかということになり、ノーマンが初代の会長に、そして私が副会長になりました。既に私達の事を理解してくれる友人が他にいましたから、1978年に各々の友人たちに手紙を出したのです。5人全員でね。もちろん、ドクターたちにも・・・。

デンバーで全米ホリスティック医学協会を始めた時には全国から250人くらいのドクターたちが集まってくれました。全米ホリスティック医学協会(American Holistic Medical Association)と命名したのがその時で、今でも続いています。
最初は250人くらいのお医者様から協会が始まったということですね。 今はどのくらいの会員数になっているのですか。
今どのくらいのメンバーがいるかはちょっとわからないわねぇ。当初はそれほど大きくはなかったわね。どこから来たのか、また人それぞれ考え方が異なるわけだから。だけど、理念は少しずつ広まっていきましたよ。『ホリスティック』という言葉は、頭文字をWにすべきかHにすべきか決断するのに2年かかりました。

WholeのWかHolisticのHのいずれにするか。Wholeは、全体的なという意味を持ちますが、Holisticという言葉はHoly (聖なる)、Health (健康)、 Healing(癒し)という意味が含まれています。それでHolistic のHを使う事にしたわけです。
それまではホリスティックという言葉はなかったのでしょうか?
この言葉を使っている人はいたけれども、医療の面でこの言葉を使い始めたのは私たちが最初です。
では話題を進めて、やはりひまし油についてお聞きしなければ・・・。博士の記憶に残るひまし油のエピソードを教えていただけますか?
ケイシーのリーディングを使って仕事をし始めた当初、リーディングを臨床にどのように働きかけられるか理解するのがとても難しかったのです。ケイシーの長男であるヒュー・リン・ケイシーは訪ねて来るたびに「君たち、なんでフィジカルリーディングを使わないの?」と聞いてきたんですが、私達は「ヒュー・リン、あなたのお父様はサイキックだったのよ。患者の状況はみんな違うのよ」と返事をしていました。でも翌年戻ってきたヒュー・リンがまた「君たち、なんでケイシーのリーディングを使わないの?」と言ってくる。すると私たちはまた「ヒュー・リン、あなたのお父様はサイキックだったのよ。患者はみな違うのよ」と答える。

その繰り返しが3年ほど続いた後のこと、ようやくひまし油を使い始めることになりました。そして、人々が抱える問題や状況はそれぞれ違っていても、ひまし油の効果は確かにあったのです。そのうち、ひまし油によって何が起こっているのかに気づきました。ひまし油が肌から吸収されることで、それが肌のリンパを通じて、そのリンパの更に深部まで浸透し組織の浄化をしていきます。そういった浄化された清潔な環境の中だと細胞はより良い活動ができるのです。

そういったシンプルな働きによって変化が起こるということ、私たちはそれがどのように肝臓や、鼻腔、腎臓、そして腫れ上がった足首にまで働きかけていくことができるということを知ったわけです。それはあらゆる部分の治療に役立ちました。ひまし油を日々の臨床に使い始め、それは後にウイリアムが「エドガー・ケイシーとパーマクリスティ(邦題:癒しのオイルテラピー)」というひまし油をテーマにした本を執筆するに至ったわけですが、何よりもこのひまし油のおかげで私達はケイシーリーディングを深く理解することができたのです。

特定の生理学的プロセスを使ってのケイシー療法は知ってはいました。しかし、身体の一箇所だけに働きかけても効果は発揮できない。肝臓と腎臓の調和、腸と皮膚の調和などお互いの調整過程を知ることが重要だという事も知っていったのです。
ときどきお客さまからひまし油の何の成分が効くのか、何故効くのか、身体のどこに効くのかという質問をいただくのですが・・・。
ひまし油はトウゴマの種子を絞った油ですが、この特定のオイルを使用することが大切なのです。オリーブオイルも重要ですし、ピーナツオイルも特に関節痛には効果がありますのでそれらのオイルを使用しますが、ひまし油は皮膚からリンパを通じて浸透し組織に働きかけます。ひまし油自体が身体に働きかけるのです。ベストなのは冷温圧搾抽出されたもの。熱せられたり精製されていない純粋なオイルです。

私は患者さんに説明するときは、ひまし油が皮膚のリンパを通じて、リンパのより深い部分に浸透していき、組織を浄化するということを説明します。

ひまし油湿布は足首の捻挫にも効果があります。温熱パッドを使用せず、ただ単に患部にひまし油を湿布するだけでも腫れが引いていきます。これはとてもお勧めできる方法です。生理痛がとても辛い場合、生理痛にもいろいろな症状がありますが、ひまし油湿布をお腹や痛みのある部分、例えば腰痛がひどいようであれば腰に当てます。腰とお腹の両方に当ててもよいのです。この場合は温熱パッドを使用します。これにより、筋肉がリラックスしてむくみやリンパの滞りを防いでその流れを促します。

首や肩のコリにもその部分に少し長い間ひまし油湿布を当てておくと、この場合温熱パッドは使用しなくても大丈夫ですが、とても楽になります。つまり、身体のどの部分に使ってもいいって事です。

ひまし油については沢山のエピソードがあります。ある妊婦さんのお話をしましょう。

この方は7週目に出血がありましたが、自宅に戻ってひまし油湿布をするように伝えました。彼女はすでに5回もの流産の経験がありましたが、ひまし油をしたところ出血が止まり、落ち着いて臨月まで持ち越して無事出産となりました。

別の妊婦さんも同じく7週目に出血があり、その時またひまし油湿布をし、無事出産しました。しかも、その赤ちゃんの口から鼻にかけて兎口であったであろう傷跡があったのです。それを見て「素晴らしいわね、子宮の中で施術が行われていたわ!」って思わず叫んでしまいました。傷跡があるってことはそこに何かしらの傷があったということだから。傷ではなく傷跡なの。つまりひまし油によってその傷が修復されたということ。

歯痛も、歯医者にいけない時など、顔にひまし油湿布をあてることで痛みも腫れも引いていきます。

胸にできる腫瘍とは異なる嚢胞の場合もそう。バストのあたりにひまし油を含ませた小さな布を貼り付けブラをすることでそれが小さくなったわねぇ・・。そうねぇ他にも沢山あるわ・・。目にもひまし油を塗るの。そうすることでドライアイ、目頭の感染症にも効用があります。

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